定義:
ブランデーとは、ブドウ、リンゴなどの「果実」を発酵させたものを蒸留して作られるお酒の総称です。一般にはブドウを発酵・蒸留させたものが殆どを占めています。
種類と製法:
ブランデーには、様々な種類があります。代表的なものの製法などによる違いを紹介します。
ブドウが原料となっているものをグレープ・ブランデーと言い、これらの中から特に多種多様なフランスのものを中心に名称と定義を紹介します。
1.コニャック
フランスのコニャック地方で収穫されたブドウのみを使い、果汁を発酵・蒸留して樫樽で熟成させたお酒です。
華やかさと繊細さ、力強さと奥深さを併せ持つ、世界で最も愛されているブランデーです。詳しくは、次項 コニャックについて(産地規格)、コニャックについて(グレード規格) で紹介します。
お勧めコニャックは、こちらからお進みください。
2.アルマニャック
フランスのアルマニャック地方で収穫されたブドウのみを使い、果汁を発酵・蒸留して樫樽で熟成させたお酒です。
蒸留スタイルや土壌などの違いから、比較的フレッシュで、コニャックと比較してややクセがあり、それぞれの銘柄の個性が強調されているものが多く見られます。
3.フレンチ・ブランデー
フランスのブランデーで、特に産地名を記載していない、コニャック・アルマニャック以外のものをフレンチ・ブランデーと言います。
酒質は軽く、ライトな味わいで熟成期間も短いものが殆どです。
4.オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン(フィーヌ)
フレンチ・ブランデーのうち、AOCワインの産地(つまりワインの有名産地です)で作られるワインを蒸留して作られるものを、
特にオー・ド・ヴィー・ド・ヴァンと呼びます。一般にはフィーヌと呼ばれています。
ワインの有名産地であるブルゴーニュ地方などで作られています。
5.オー・ド・ヴィー・ド・マール(マール)
6.グラッパ
上記1.〜4.のブランデーが、ブドウ果汁を発酵したもの(つまりワイン)を蒸留したものです。
それに対してこのマールとグラッパは、ワインを作るのに使用したブドウの絞りかすを発酵させたものを
蒸留して作られるブランデーです。一般に「かす取りブランデー」と言われます。
5.マールがフランスで作られたものです。有名産地のシャンパーニュ地方や、ブルゴーニュ地方などで主に作られます。
こちらは一般に樫樽で熟成させ琥珀色になっています。
6.グラッパはイタリアで作られたもので、一般に樫樽での熟成は行われず、透明なままの製品が多数を占めます。
樽熟成が行われていてもごくわずかな期間で、薄く黄色い色が付いている程度です。
このタイプのブランデーは、一般にややクセが強くコシがあり、ガツンと来るタイプを好む方に飲まれています。
近年では、フィーヌのようにエレガントに樽熟された高級品も多く出回ってくるようになりました。
ブドウ以外の原料で作られたブランデー:
これに対し、ブドウ以外の果実を原料としたものを、フルーツ・ブランデーといいます。
フランスのノルマンディー地方で産出される、カルヴァドスは特に有名で、リンゴと洋ナシを発酵・蒸留したものを樫樽で熟成させて世界中に輸出されています。
上品な甘みと酸味が非常にエレガント。フルーティでしなやかなボディを持つお酒です。
その他にもチェリー・プラムなどを発酵・蒸留させたフルーツ・ブランデーも様々にありますが、一般には国内消費され、あまり国外で見かける事は少ないお酒です。
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